
デジタルパーマの施術例や、髪質や人種の違いによる薬剤や判断方法などを解説していきます。
これからデジタルパーマを導入したいと思っている方や、白人などパーマがかかりにくい毛質へのアプローチ方法や見極める判断基準など紹介していきたいと思います。
デジタルパーマ理論
おおよその施術時間:2時間から2時間半。
(スキャルプマッサージ、ショルダーマッサージ込)
手順
- 1.カウンセリング
- 2.カット
- 3.シャンプー
- 4.一液塗布&一液流し
- 5.ワインディング
- 6.機械で加熱
- 7.2液塗布
- 8.2液流し
- 9.仕上げ
1.カウンセリング

アジア人を含め、日本人以外のお客様は、ある程度しっかりとカールを出さないとフィックスになりやすいので注意。 カウンセリングで確認するべき項目は基本的にストレートパーマと同じ。
カラーの有無。特に黒染めの有無。 ・ストレートパーマ等のケミカルヒストリーがあるか。 ・仕上がりのイメージを共有しておく。
2.カット

先にシャンプーをしてしまうとドライカットする際に乾かさないといけなくなり、時間が掛かるため、可能であればそのままカット。
ネープ、耳回りなど特に重くなりやすいエリアなどを毛量調節し、全体的に同じようなカールが出るように調節する。
3.シャンプー
プレシャンプーなので、あまり根元の頭皮を洗い過ぎないこと。
4.1液塗布&1液流し

デジタルパーマと縮毛矯正は、一液と熱の力で曲げるか、まっすぐに伸ばすかの違いだけであり理論的には同じ。
1液の軟化をいかに見極めるかが大切。 基本的にはカールが出て、3か月以上持続する最低限の軟化で1液を浸透させるかが一番重要。
ストレートパーマ同様 オーバープロセスさせると修復不可能なので、カラー、ハイライト毛は特に気を付けるべき。 毛先の痛みがある場合はプロテクション50(Knoture 0)を薄めに塗布。
基本的にはネープから塗布し、毛先が傷んでいる場合は毛先は塗布せず、根本~中間のみ塗布し、毛先は後で塗布。
リタッチの場合もカールがある毛先部分は外し、毛先までかけなおす場合は後で毛先に塗布する。
毛先のカールをそのまま残し、リタッチする場合はプロテクション90をカールがある部分にしっかりと塗布。
1液流し。1液をしっかりと流し、シャンプー、毛先にトリートメント。シャンプートリートメントは特に指定なし。
毛先にパーマががすでにかかっているエリア ノーマル 自然3分~5分 コーミングしてカールが伸びたらリンス。
5.ワインディング

日本人以外のお客様はしっかりとしたカールを求めていることが多いので、アウトラインは基本的にはダウンステムで しっかりとカールが出るように巻く。
頭皮とロッドの間に断熱材(カーラー)を挟ませ、ロッドの熱を遮断する。特に耳回り注意。
顔周りもある程度しっかりとかけないと、掛かっていないとのクレームの可能性あり。
(特に白人の場合)
アジア人のおおよその目安
ロング、ネープ20mm それ以外22mm
ミディアム、ネープ18mm それ以外20mm
白人ののおおよその目安
ロング、ネープ12mm それ以外14mm
ミディアム、ネープ12mm それ以外12mm
かかりすぎるということはほぼないので、一番小さなロッド設定。
6.加温

100度前後で15分から20分。
ゴムが切れてロッドが落ちることがあるので、常時目の届く場所にいること。
ケーブルの不接触、ロッド自体が壊れていて、熱くならない場合があるので、
5分ほどしたら実際にロッドが熱くなっているかを確認。これを怠ると、時間が大幅にかかる場合があるので注意。
ゴム跡が残らないようスティック等は必ず行うこと。
カラー毛への高温加温はダメージを進行させるので、100度以内推奨。
7.2液をしっかり揉み込む
通常はリシオの2液をロッドアウト後に塗布。均等に塗布するために軽く揉みこむ。
白人、ファインヘアの場合はロッドアウトして2液を塗布するとカールがだれる可能性があるので、ロッドがある程度冷えるまで(5分程度)待ちMilbon perm neutralizerを使用。10分前後でロッドアウト。
8.2液流し
スキャルプマッサージとMilbonリンケージを行う。
9.仕上げ
アジア人:毛先に軽めのオイルでツイストしながらドライヤーで仕上げる。
白人:ドライヤーを使うとカールが伸びてしまうので、ライトもしくはディフーザーで仕上げる。
施術するか、しないかの大まかな判断基準。
標準的なアジア人
- シングルカラーのオールブリーチ毛 ×
- バリアージュ、ハイライト等の毛先がブリーチ毛 ▲
- ハイトーンのカラー 〇
- カラー 〇
- ストレートパーマ ほとんどの場合〇
白人(ファイン毛、細毛)
- シングルカラーのオールブリーチ毛 ×
- バリアージュ、ハイライト等の毛先がブリーチ毛 ×
- ハイトーンのカラー ×
- カラー ▲
- ストレートパーマ ほとんどの場合×
白人(赤毛、ある程度こしがある)
- シングルカラーのオールブリーチ毛 ×
- バリアージュ、ハイライト等の毛先がブリーチ毛 ▲
- ハイトーンのカラー ▲
- カラー ▲
- ストレートパーマ ほとんどの場合×
判断が難しい場合は、1センチ四方を取って実際の髪の毛で1液塗布、ワインディング、2液をして掛けてみる。
時間はかかるが、一番確実。
このマニュアルは私の経験を元に書かれたものなので、
この技術方法が全て正解ということではありませんが参考にしてもらえたらと思います。 「デジタルパーマ講習(白人等)」希望の方、連絡頂ければ有料で講習いたします。 tatsuyaikezawa@gmail.com まで連絡お願いします。
November 7th 2017